1973年型 ポルシェ 911 カレラ RS 2.7 プロトタイプ
1973年はポルシェ911スポーツカーにとって記念すべき年だ。その年は小さなバンパーの911ボディースタイル最後の年であり、プラットフォームの究極の進化となる伝説的なRSモデル最初の年であった。不要なものを一切取り払い、軽量化されたカレラRSはレーストラックでも道路でも良いパフォーマンスを実現した。RSが完全量産化される前に9台のプロトタイプが製造されており、ここにあるRSはその2台目のものとされている。このクルマはアメリカコレクションに渡る前は、もともと若きレースドライバー、ヘルムート・コイニクに贈られるはずのものであった。その後オーストリアへ売りに出され、現在もなおほぼオリジナルと同じコンディションを保っている。RSが911を最高のレーシングプラットフォームとしたクルマであるということを考えると、この一台はポルシェ史において重要な一台であると言えよう。