1998年型 メルセデス・ベンツAMG CLK GTR

90年代後半、メルセデスはレースに全力を注いでいた。イルモア・エンジニアリングとの共同でアメリカンCARTシリーズやマクラーレンのF1チームにエンジンを提供し、6ヶ月にも満たないうちにFIA GTチャンピオンシップ用にCLK GTRの設計、開発を行った。競争は激しく、CLK GTRはポルシェ911GTと、BMWエンジン駆動のマクラーレンF1と対抗し、メルセデスは事実上3社のドイツブランドをライバルに迎えることとなった。そんな厳しい接戦の中、メルセデスは1998年のFIA GTチャンピオンシップで優勝に輝いたのである。このメルセデスAMG CLK GTRは公道仕様に製造された25台のうちの9台目で、実際のレーシングカーよりも公道仕様にやや薄く仕上げられている。実績のある設計と受賞歴に輝いたCLK GTRはメルセデスのレーシング史に残る貴重な一台だ。