When Sex Was Safe
一時、オートレースが世界でもっとも危険なスポーツとされてきた時代があった。危険なスポーツであることは今も変わらないが、1930年代から1980年代初頭にかけて、安全性に対する技術革新は目覚ましい進歩を遂げてきた。シートベルトやロールケージ、耐火スーツ、フルフェイスヘルメットといった今では当たり前の物たちが、1950年代はドライバーたちの間では目新しく、むしろ軽視されるものでもあった。ドライバーたちのWhen Sex Was Safeは、レーシングカーが生命をなくす可能性のあるものであった時代にタイムスリップさせる一冊。歴史と、レースの黄金時代の型破り感と虚勢感を表す、輝かしく超現実的なアートワークをふんだんに盛り込んだ253ページは、読み応え十分だ。