2001年宇宙の旅 アートエキシビット
映画史上に残る傑作に文字通り一歩足を踏み入れられるのが、2001年宇宙の旅のイマーシブ・アート・エキシビットだ。またの名を「バルマク家の饗宴」と呼ばれるこのセットは、スタンレー・キューブリックが1968年に制作した同作のあのラストシーンを忠実に再現した白いネオクラシカルなホテルの一室を作ったアーティストサイモン・バーチが手がけたもの。ワシントンDCの国立航空宇宙博物館内に作られたこの展示に入るには、無料だがチケットが必要。また一度に入場できるのは6名までで、各グループの滞在時間は2分間までと決められている。キューブリックは撮影後、セットをめちゃくちゃに壊すことで有名であるにもかかわらず、どうやってここまでディテールの細かいものができたのか疑問に思う人もいるかもしれない。それは、バーチの建築家ポール・ケンバーがたまたま原案の立案者の甥であるという、割とシンプルな思いがけない幸運から実現したものなのである。